平たい雲のことを〝ぺネタ雲〟と呼ぶそうです。
おーなり由子さんの著書「三六六の絵ことば歳時記 ひらがな暦」の7月8日のページに記されていました。
引用されていたのは宮沢賢治先生の童話「蛙のゴム靴」。
花見ならぬ雲見に興じていたカエルさんたちの会話から、「だんだんぺネタ形になる」ことや「うすい金色、永遠の生命を思はせる」平たい雲を〝ぺネタ雲〟と呼ぶのだと知ることができました。
昼間の酷暑が残ったままの午後5時ごろ、青空の下で見つけた平たい雲を「ぺネタだ!」と思い撮りましたが、
「うすい金色」になっていくのを眺めていたカエルさんたちはきっと、夕涼みをしていたのでしょう。
日の入り前の午後7時10分、少し場所を変えて港の水道がよく見えるお気に入りの丘の上から再び、
あのぺネタ雲に会いに行きました。
地上では心地よく吹いている風、上空ではどんな風が吹いていたのでしょう。
見事に広がり色づいて、まるで天女が羽衣をなびかせているような美しさでした。
賢治先生が名付けられた〝ぺネタ雲〟というひとつの雲が、時間と光で変えてみせてくれた風景に、
〝わたしはどうだろう〟
と思わずにはいられませんでした。
だんだん広がり変えてゆく〝ぺネタ雲〟
サウイフモノニ
ワタシハナリタイ
日日の変化をここに、日記のようにしたためていきます。