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刀剣と高梁川と水

わがまち玉島の氏神さま、羽黒神社さま所蔵の宝物(ほうもつ)のひとつ
逸見東洋竹貫斎(へんみとうようちっかんさい)作〝玉龍の大太刀〟が特別公開されています。
【くらしき宵待ちガーデン内 
 きび美ミュージアムにて 9月25日まで】

明治4年(1871年)に奉納されて150年(!)
羽黒神社さま境内の絵馬殿にこもって玉鋼を打ち、緻密な彫刻を施すのに60日間かけたそうです。
刀身の長さは153cm、重さは3.5kg。
祈りの熱を内に込めて、今も輝き続ける〝玉龍の大太刀〟は、
岡山県指定重要文化財という称号におさまりきらない〝わが国の宝〟と呼ぶにふさわしい芸術品です。
ぜひ一度ならず二度三度、足をお運びいただき、その息吹を感じていただけると幸いです。

本日は、きび美ミュージアムさんのご厚意で特別に撮影させていただき、臼井洋輔館長に興味深いお話をいただくことができました。
そのひとつが刀剣づくりにとっての大事な素材〝砂鉄〟のお話です。

〝たたら〟と呼ばれる伝統的な製法で〝玉龍の大太刀〟は打たれたそうですが、素材の
〝砂鉄〟は高梁川の下流域で採られたそうです。
ジブリ作品の「もののけ姫」のイメージが先行して〝たたら製鉄〟は山奥で行われていたと思い込んでいました。

中国地方で〝たたらといえば出雲〟とこれまた思いこみが先行しますが、さにあらず。
中国山地を水源とする川からの砂鉄は、日本海側の島根や鳥取の方が純度は高いそうですが、
南の瀬戸内海へ流れる川で採れた砂鉄は「赤目(あこめ)砂鉄」という赤いサビのようなものが混ざったもので、
実はこの「赤目(あこめ)砂鉄」こそが刀剣にとっての命ともいうべき
〝しなやかで折れにくい〟性質を生み、備中や備前で打たれた刀が重宝されてきた大きな要因だったそうです。

中国山地、高梁川、瀬戸内海。
私たちの暮らす風土までもが、一振りの刀剣に込められていたとは、新たなる驚きでした。
いにしえの文化として遠い存在と思っていた〝たたら〟のことをもっと知りたくなりました。

〝しなやかで折れにくい〟
その性質に惹かれたことも
言うまでもありません。

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