続 クラシック音楽のこと
それはそれは大きなステレオが
実家にありました
木製のラックにレコードプレーヤーがのっていて
スピーカーはタテヨコ高さ1メートルくらい
金糸を織り込んだ豪華な布で包まれていました
当時としてはかなりな高級品だったと
思われます
応接間にあったそのステレオで
LPレコードをかけては
指揮者のまねごとをしながら
音楽にひたっていました
小学校高学年のころと記憶しています
石原裕次郎さんや北島三郎さん、
三波春夫さんに由紀さおりさんなどなど
往年の歌謡曲がほとんどの棚の中に
そのレコードたちはありました
日本コロムビアから出されたそのレコードは
「少年少女 世界の名曲」
学研が企画した10枚組の
クラシック音楽集でした
たった1枚だけ今も手元にあるのが
シリーズ8枚目の「組曲編」です
A面に、サン=サーンス作曲「動物の謝肉祭」
B面に、ビゼー作曲「カルメン組曲」と
グリーグ作曲「ペール・ギュント」
特に「ペール・ギュント」には
〝山の魔王〟なんかが出てきて
音楽からちょっとした冒険心を
かきたてられたりもしました
知らず知らずのうちに
情操を育ててくれていたんだと
今になって思います
それから中学2年生になって
衝撃のレコードと出会います
日本中を熱狂の渦に巻き込んだ
アニメ映画『宇宙戦艦ヤマト』の音楽を
新たに録音したアルバム、その名も
『交響組曲 宇宙戦艦ヤマト』
作曲された宮川泰(みやがわひろし)さんによると
チャイコフスキー作曲の「白鳥の湖」をモチーフに
編曲されたそうで
もはやアニメのサントラを越えた
クラシック音楽そのものの重厚さに
胸を熱くしました
なんといっても〝交響組曲〟という響きに
今でもものすごく惹かれるのは
青春の〝すりこみ〟
とでもいうのでしょうか
以来〝交響組曲〟とか〝交響詩〟と
名のつくサントラを
好んで集めるようになりました
例外なのは、手に入れたのがつい最近という
『交響組曲 ドラゴンクエスト』
運命の歯車か、時間軸のいたずらか
わかりませんが
今になって、その奥深さとともに
味わえるというのは
格別の歓びです
作品づくりには
場面の意味と感情の起伏をあてはめながらの
選曲が何より重要と考えています
クラシック音楽からいただいた
このスキルに
感謝しています
そんなに裕福でもなかった(と思われる)
少年期のころ
良質な音楽に触れさせてくれた
両親にも